事業内容 〜 何をやっている会社? 〜

事業内容のチェックポイントは、「誰に」「何を」「どのように」提供しているのか、を知る事です。
特に「何をやっている企業か」という事は、皆さんが入社してからどのような仕事ができるのか、ということに関わってきます。志望企業が何を販売し、どのようなサービスを提供しているのか、今後商品開発の予定はあるのか、どのような新規事業を行うのか、などを掘り下げて重点的に研究しましょう。
現在、皆さんが企業について知っている情報は、ほんの一端に過ぎません。テレビCMや雑誌、新聞などに掲載されているモノ、日常生活で商品・サービスを利用しているモノについては、よく知っているような気になりますが、皆さんが想像する企業のイメージと企業の実態とは、かけ離れている事がほとんどです。

本業は何かをチェック

事業内容を見る時、ポイントとなるのはコアなビジネス(本業)は何かと、本業以外に何をしているか、を知ることです。大半の企業において、事業内容はひとつだけではありません。トヨタ自動車の場合、事業内容全体の90%以上の比率を占めている自動車事業が本業となりますが、それ以外にも数%の割合で、金融業や住宅事業を行っています。皆さんが仮に自動車事業に関わりたいと希望して入社しても、住宅事業を行う部署に配属になる可能性もあります。コアなビジネス以外にも複数の事業を行っているのは、ごく当たり前のことです。複数の事業を行っている場合は、どのような事業を行っていて、それぞれの取扱比率が何%を占めるのかも見ておきましょう。
例えば、大手製造メーカーの場合、商品の生産工場を自社で持たずに、生産自体を別会社へ委託し、自社のブランド名で販売するという事は、よくあることです(OEM生産)。
生産を委託されている企業にとっても、自社名で販売するよりも、知名度、ブランド力のあるメーカー名で販売する方が、顧客からの信用力もあり、販売数が伸びるというメリットがあります。大手製造メーカーにとっても、商品開発にかかる莫大な費用をできるだけ抑えて、開発力・技術力のある企業の商品を販売するほうが、品質的にもコスト的にもメリットがあります。このように製造メーカーが自社で商品を製造せずに別会社に製造を委託しているケースもありますので、事業内容は入念にチェックすることが大切です。

<自動車メーカーを例に挙げて考えてみましょう>
自動車メーカーと聞くと、トヨタ自動車、本田技研工業、日産自動車など国内トップメーカーが思い浮かぶと思います。しかし、一台の自動車すべてを自動車メーカーが単独で生産しているわけではありません。エンジン関連部品やブレーキシステム、ステアリング、照明、シートベルトなどの自動車部品を製造している別の企業から部品を仕入れ、組み立て専門の企業で車体を組み立て、トヨタやホンダ、ニッサンというブランド名で販売されています。一台の自動車は、いくつもの企業の共同製作物だと言えます。

「したい仕事」はその会社にありますか?

「車が好きだから自動車の製造メーカーに就職したい」と言っても、そこで何をしたいのか、を考えないと、現在自分が目指している仕事内容と入社後にできる仕事とのギャップが想像以上に大きなものになります。もし、一般の消費者に車を売りたい、と思っているのなら、製造メーカーではなく、自動車の販売会社、ディーラーに就職すると「一般消費者に車を売る仕事」ができます。自動車の新商品開発に携わりたい、と思っているのなら、トヨタ自動車や本田技研工業、日産自動車などの自動車メーカーを目指すといいでしょう。自動車の中でも、特に最新のブレーキシステムを開発したい、と考えているのならブレーキシステムを販売している企業を目指すといいでしょう。商品開発という部門は、どこの企業においても必要な部門です。大企業に限らず中小企業においても新商品、新技術を開発し特許を取得している企業はたくさんあります。
ですから、例えば製造業であれば、何を開発したいのか、それは製造工程のどの工程で使われるのか、どの市場(業界)で流通するのかを研究し、把握しておきましょう。

今まで知らなかった企業の発見

就職活動の企業選びでは、知名度とブランド力、開発力のある企業が圧倒的に注目度も高いと言えますが、部品メーカーや素材メーカーのような素材・中間財・生産財を扱う企業の中にも、一般的な知名度が低くても、自動車部品業界においては世界的にもトップレベルで、海外への事業展開も活発に行っているような優良企業が数多くあります。
そういった今まで知らなかった優良企業を見つけることも、就職活動の醍醐味になります。自分で探す事が難しい場合は、両親や知人、先輩など周りにいる社会人の先輩に話を聞いてみましょう。社会人の視点で述べられる意見は、企業を見るうえで非常に参考になります。

上場企業の事業内容は、「会社四季報」(東洋経済出版)を見てみましょう。
企業の所在地や事業所数、従業員数を始め、事業内容(比率)、注目の話題、業績、株価など企業の基本情報が掲載されています。
企業の自社ホームページでも事業内容をしっかりチェックしましょう。
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