社長 〜 社長はどんな人物か? 〜

社長は、企業の最高責任者です。企業を研究するには、「トップの人柄を見るのが一番」だと言われるほど、社長の影響力は大きく、規模の大小を問わず、社風の善し悪し、経営方針、経営戦略など企業の将来を決定する力を持っています。

社長の影響力

大企業においても、社長交代により商品・サービスを初め、企業イメージに至るまで、大きく変わるケースはよくあります。
例えば、日産のカルロス・ゴーン氏の場合、1999年3月にルノーが当時経営危機にあった日本の日産自動車と資本提携し事実上の傘下に収めた後に、当時のルイ・シュヴァイツァー会長の指示により日産自動車の最高執行責任者(COO)に就任しました。
ルノー・日産両社の間で車台(プラットフォーム)やエンジンなどの部品の共通化、購買の共同化などを通じて両社のコストダウンを行う傍ら、「日産リバイバルプラン」計画の下、東京都武蔵村山市にある村山工場などの余剰な生産拠点の閉鎖や子会社の統廃合、余剰資産の売却などの大幅なリストラや、新車種の投入やインテリア・エクステリアデザインの刷新、ブランドイメージの一新などの計画を実行しました。その結果、1998年には約2兆円あった有利子負債(いわゆる借金)を2003年6月には全額返済し、12%前後まで落ちた国内シェアを20%近くまで回復させるなど、見事に経営を立て直しました。
日産の様なケースは珍しいケースですが、強烈な個性を持った経営者の場合は、企業の個性や社風、イメージなどを大きく変化させるほどのインパクトを持つ可能性もあります。
社長がどのような人物でどのような方針で経営を行っているか、という事は企業研究においては、重要なポイントの一つです。

社長の人物像を知る

大企業の説明会や面接では、社長自らが自社について直接話をする機会はほとんどありませんが、企業ホームページを見ると、社長のメッセージが掲載されています。最近では社長のブログが掲載されている企業もあります。また、中小企業の場合は、直接社長に会える確率が非常に高くなります。このように、社長の経営ポリシーやビジョン、人柄を知る機会は増えてきていますので、積極的に利用し情報収集をしましょう。

社長との距離

社長個人の人物像がどうかとは別に、社長の考えや経営方針が従業員にどれだけ浸透しているか、という事も社長の人物像やリーダーシップを測る物差しとなります。従業員が少ない中小企業の場合は、普段から社長に接する機会が多く、従業員にとって社長は身近な存在に感じられます。その分、社長の考えや経営方針は、従業員に伝わりやすいと言えます。大企業の場合、事業所や従業員数が多いため、中小企業に比べると社長との距離は遠く感じます。しかし、規模が大きくても全国の事業所を訪問し、従業員の声に耳を傾けようと努力している社長もたくさんいます。
社長の一挙手一投足が企業に与える影響力が大きいからこそ、社長の経営方針やメッセージに共感できる、というポイントも企業を選ぶ十分な動機となります。
皆さんが入手できる情報を活用し、社長の人物像を見極めましょう。

会社は社長次第で変わります。魅力的な社長は、取引先や金融機関、従業員からの信用も厚く、周囲に良い人材が集まります。
社長がどのような人物かも、企業研究の重要なポイントです。
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