大企業においても、社長交代により商品・サービスを初め、企業イメージに至るまで、大きく変わるケースはよくあります。
例えば、日産のカルロス・ゴーン氏の場合、1999年3月にルノーが当時経営危機にあった日本の日産自動車と資本提携し事実上の傘下に収めた後に、当時のルイ・シュヴァイツァー会長の指示により日産自動車の最高執行責任者(COO)に就任しました。
ルノー・日産両社の間で車台(プラットフォーム)やエンジンなどの部品の共通化、購買の共同化などを通じて両社のコストダウンを行う傍ら、「日産リバイバルプラン」計画の下、東京都武蔵村山市にある村山工場などの余剰な生産拠点の閉鎖や子会社の統廃合、余剰資産の売却などの大幅なリストラや、新車種の投入やインテリア・エクステリアデザインの刷新、ブランドイメージの一新などの計画を実行しました。その結果、1998年には約2兆円あった有利子負債(いわゆる借金)を2003年6月には全額返済し、12%前後まで落ちた国内シェアを20%近くまで回復させるなど、見事に経営を立て直しました。
日産の様なケースは珍しいケースですが、強烈な個性を持った経営者の場合は、企業の個性や社風、イメージなどを大きく変化させるほどのインパクトを持つ可能性もあります。
社長がどのような人物でどのような方針で経営を行っているか、という事は企業研究においては、重要なポイントの一つです。 |